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症例のご紹介(重度の歯周病の場合)

今回は、重度の歯周病の症例についてご紹介いたします。

患者様のプロフィール


年齢:40代(男性)
訴え:前歯がぐらぐらする
治療期間:2017年1年~

当初歯周病での自覚は患者様ご本人には無く、前歯がぐらぐらするという症状でご来院されました。



患者様のレントゲン写真です。


歯槽骨(歯を支える骨)が減少し赤いラインまで下がってしまっています。
これを「歯槽骨の吸収」と呼び、症状が進むと歯を支える力が弱くなります。
結果、歯がぐらつく原因になります。




口内の全体写真です。
全体、特に歯の根元付近にプラーク(歯垢)がついています。
それにより歯肉にも炎症が見られます。
また縁下歯石も確認できます。
特に下顎の前歯付近、舌側面です。
歯肉の上まで歯石で覆われていました。
 

口臭検査の結果


平均より数値が大幅に上回っており、歯周病リスクも高いことがわかりました。
またプラークコントロール(歯周病の原因となる細菌の数を減らすこと)が非常に悪い状態でした。

↓実際の菌の状態です。



歯周病が進行してしまっていること、
プラークコントロール(歯周病の原因となる細菌の数を減らすこと)の悪さ、
患者様の訴えであるぐらつく歯の保存が難しい状態とわかりました。

治療として、
・スケーリング(プラーク、歯石、着色汚れ)と
・ルートプレーニング(歯茎の中(歯周ポケット内)のプラークや歯石を取り除く)
・ブラッシングの改善
等を行いました。


治療の結果



初診時より明らかに歯肉が引き締まり、
歯槽骨(しそうこつ)や歯ぐきに埋まっていた部分が見えてきました。
ブラッシングの改善と歯石除去で見た目が大きく変わっています。

 

・患者様へ生活習慣のアドバイスを通じて、プラークコントロールが78%から15%に減少しました。
・歯肉の状態も改善が見られます。
・歯のぐらつきは改善せず、抜歯となりそうです。
・口臭検査の数値も減少し、改善が見られます。



今後もお口の中の状態を維持するには、
ブラッシングと生活習慣の改善を引き続き行うことが重要なケースです。



長年歯科医院から足が遠のいている方も居られるかと思います。
何か些細な変化でも、気になることがある方はお気軽にご相談下さい。