当院の歯周病治療
歯周組織が破壊され、
歯を失う歯周病
歯周病は、歯と歯ぐきの間に溜まる歯垢(プラーク)や歯石に繁殖する細菌により炎症が引き起こされ、歯周組織が破壊される状態です。40歳以上の日本人80%が歯周病と言われ、歯を失う原因の多くを占めています。治療はクリーニングを基本に、症状や進行具合によって外科的な処置を行うこともあります。まずは現在の状態を正確に把握しましょう。
このような症状はありませんか
- 歯がグラグラする
- 歯茎から出血がある
- 口の中が粘ついている
- 歯と歯の間にすき間がある
- 口臭が気になる
- 歯茎が腫れている
歯周病の進行段階
01STAGE 健康な状態
歯周病は、歯肉炎→軽度歯周炎→中度歯周炎→重度歯周炎という流れで進行します。
健康な状態では、歯は歯周組織にしっかりと支えられています。歯ぐきはピンク色で引き締まり、歯と歯の間に隙間はなく、歯みがきで出血することもありません。
02STAGE
歯周病になる手前の
歯肉炎
歯と歯ぐきの境目に歯垢(プラーク)が溜まり、細菌の毒素が歯ぐきの炎症を引き起こし、赤く腫れます。歯肉炎の段階では痛みを伴いませんが、歯みがきの際に出血することがあります。放置すると歯周炎に進行してしまうため、この段階でしっかりとケアすることが重要です。
03STAGE
細菌感染が進んだ
軽度歯周炎
歯肉炎が進行してさらに感染が進んだ状態が軽度歯周炎です。歯ぐきの炎症に加え、歯ぐきを支える骨が溶かされ始めるのが特徴。歯周ポケットも徐々に深くなり、さらに歯垢(プラーク)、歯石が溜まるため、放置するとさらに歯周炎が重症化する恐れがあります。
04STAGE
歯が浮くように
感じる
中度歯周炎
歯ぐきの炎症が慢性化し、さらに進行して歯周ポケットは深くなります。骨が溶けて、歯が浮いたような感じがする上、口臭もあります。歯周ポケットの奥まで歯ブラシが届かないため、ますます重症化することが懸念されます。
05STAGE
歯がぐらつく
重度歯周炎
さらに重症化すると歯を支える顎の骨がほとんど溶かされ、歯根が露出して歯がぐらつくようになります。放置すると歯が抜け落ちてしまう状態です。痛みも強くなるため、食事がしにくくなります。
歯周病が
全身に及ぼす影響
歯周病の症状
違和感の正体は
歯周病かもしれません
初期は痛みなどの自覚症状がないため、気づかないうちに進行して重症化するケースが少なくありません。早期発見のためには、日頃のセルフケアや歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。歯ぐきの腫れや出血、膿のほか、歯ぐきがかゆい、歯がぐらつく、歯が伸びた、口臭などの症状がある場合、すぐにご相談ください。
治療の流れ
検査
歯周病かどうかの検査を行い、検査結果に基づいて現在の状態をご説明します。合わせて正しい歯みがきのやり方もご説明します。歯ぐきより上に付着している歯石などを除去する処置も行います。
精密検査
検査により歯周病が判明したら精密検査を行います。レントゲンを撮り、歯周ポケットの状態を詳しく検査します。より正確に口腔内の状態を確認します。
治療
歯石や細菌を徹底的に除去する治療に入ります。治療時間は1回あたり30~45分ほどで、4~6回に分けて行います。治療後は1カ月くらいの休息期間をおき、歯ぐきの状態が元に戻るのを待ちます。その後、再び精密検査を行い、異常がなければ治療終了です。
歯ぐきの手術
再検査で異常が判明した場合、歯ぐきの手術をご提案します。フラップ手術は歯ぐきを切開して歯根を露出させ清掃し、縫合する方法です。十分な説明の上、患者さんの同意を得てから行いますのでご安心ください。
メンテナンス
口腔内には常在菌が存在しており、歯周病菌の割合が多くなると歯周病は再発します。再発リスクを下げるためにも、歯周病の治療を終えた後も、定期的なメンテナンスが重要です。また、メンテナンスの頻度は3カ月に1回程度が基本です。
歯周病の治療方法
スケーリング
歯垢(プラーク)が硬化した歯石は歯みがきでは取り除くことができません。歯ぐきより上の、歯の表面に付着した歯石を取り除くのがスケーリングです。超音波スケーラーなど専用の器具を用いて歯石を除去するなど軽度の歯周病に対して行う治療法です。
歯周組織再生治療などの外科的処置
歯周ポケットの深さが改善されない場合、外科的な処置を行います。麻酔をかけて歯ぐきを開き、歯根に付着した歯石や膿の除去、炎症を起こした歯ぐきの切除を行い、元通りに縫合して完了です。また歯を支える骨が溶けて、デコボコした状態の場合、骨をつくる再生療法により段差を調整することもあります。
歯周病治療に効果が期待できる
リグロス(歯周組織再生療法)のご紹介
歯周組織再生療法とは?
歯周組織再生療法とは、
4つの歯周組織を再生する治療です。
歯肉とは
歯ぐきのことです。
歯槽骨(しそうこつ)
歯を支えるあごの骨のことです。
セメント質
歯の根っこの表面を覆っており、歯と歯根膜(しこんまく)をくっつける役割があります。
歯根膜(しこんまく)
歯と歯槽骨 (あごの骨)をつなぐ薄い膜です。
噛みごたえを感じたり、噛むときにかかる力を分散させて歯槽骨を守る役割があります。
歯周組織再生療法で特に重要なのは歯根膜の再生です。
歯根膜を再生できないと歯槽骨 (あごの骨)の再生もうまくいきません。
そのため、歯根膜にもともと備わっている再生能力を活性化させるリグロスが使われるのです。
歯を支える組織を再生する「リグロス」とは?
リグロスとは、歯周組織の再生に効果が期待できる薬剤です。
大阪大学歯周病学教室にて開発され、臨床に積極的に活用されています。
リグロスには歯周病の進行によって破壊された歯周組織を再生する効果があります。
歯周外科手術を行うことで、組織の再生が可能となるため、歯周病によって歯が抜けてしまうことを防ぐことができます。
リグロスの効果
リグロスはトラフェルミンとも呼ばれ、 主成分は「bFGF」というタンパク質です。
骨や筋肉などの細胞の増殖や分化を促して成長させます。
さらに血管を新たに作り出す作用が含まれているため、歯ぐきやあごの骨といった歯を支える組織をしっかりと再生する効果があるのです。
リグロスの効果で抜歯を回避
リグロスは、お口の中の歯周病菌を減らした後に効果を発揮します。
破壊されてしまったあごの骨の部分に直接塗布すると、塗布した箇所のあごの骨が再生され、歯を支えられるようになるのです。
抜歯を回避できるため、ご自身の歯を残せる可能性が高くなります。
歯周病の進行を食い止める効果も
歯周病により歯がグラついている場合にも、リグロスは効果的です。
歯が揺れるとあごの骨に過度な負担がかかり、病気の進行に拍車をかけてしまいます。
しかしリグロスの効果で歯の揺れが治まれば、歯周病の進行を食い止めることができます。
歯の揺れによる痛みや不快感を軽減
リグロスを使った再生治療は、歯の揺れによる痛みや不快感、しっかり噛めない患者さんの負担も軽減できます。
リグロスは、重度の歯周病であっても歯を抜かずに済んだり、歯周病そのものの進行を食い止めたりできる可能性が高まります。
リグロスの費用について
1ブロック(4~6本) | 20,000~25,000円(3割負担の場合) |
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治療時間 | 60分 ※翌日の消毒、14日後に抜糸が必要となります。 |